2013/06/16

【実務】木造耐火建築セミナーに行ってきました。

ウラ指導さんの「木造耐火建築(新築店舗)の設計事例公開セミナー」に行ってきました。講師はochaさん。

学科、製図試験中は「勉強せねば」と思い、泣く泣く参加を見送っていたものもありますが、やはりウラ指導さんのセミナーはスゴイ。余すところなくノウハウを公開していただき、とっても良い刺激をいただきました。

木造耐火建築って、でかい木造ドームとか超特殊な例だと思ってましたが、40坪程度の規模での活用例。ぐっと身近に感じられました。

【木造耐火建築 採用理由】
・防火地域内(商業地域)で100㎡以上の土地有効活用
・駐車場も考えられるが商店街の一角であるため、店舗を作りたい
・プレハブ等も考えられるが、大型重機が入らない土地(当然、S造も困難)
・震災で型枠大工さんが不足しているため、RC造が困難
・地盤があまり良くないが杭コストはかけたくない
⇒木造、大工さんで建設可能な「木造耐火建築」を採用

木造耐火建築の適合ルートAによる認定仕様、日本木造住宅産業協会(木住協)の耐火構造を活用し、確認申請、施工・監理の際の注意点(目地や接合方法)など、工事写真含めた講義でした。

「木でRCを作る感覚でした」とochaさんが講義中、おっしゃっていました。写真を見ると、スパンをとばしていたこともあり、まさに木の塊!木の塊なんだけれど、人力で施工可能(木フレームは3人がかりで施工)。

木造耐火建築のほかに、J-耐震開口フレームを採用し、木造で5.5mという大スパンを実現。屋根は積雪や設備機器設置のため、シート防水で30分耐火を満たす認定仕様とし、陸屋根。

myuさんが「開口部制限はないのか?」と質問されてました。開口部制限なし!!木三共にすると、開口面積制限があるんですが、耐火建築物としているため、開口部制限ない。すばらしい。※トップライトは要確認(下記ochaさんコメント参照。可能とのご回答いただきました)

私は6~7年前、都内で共同住宅を設計しました。東京都安全条例により耐火建築物となる建物規模です。工務店からいただいた仕事で、木造を希望されていましたが、規模を縮小して木造で行くか、容積を最大限とれるRC造で行くか、どちらにしますか?という判断を仰いだ経験があります。そのときはRC造で建てましたが、今なら、木造耐火建築という選択肢もありうる。

とても有意義な講義でした。ありがとうございました。

(その後の、気づけば講義の倍以上もの時間を費やした宴。こちらもとっても有意義で楽しかったです!)


【追記】
ochaさんから直々にコメントいただきました!感動です!
下記コメントも、ochaさんのブログも試験のみならず業務としても有用な情報を発信されています。カエルも現在まで読者暦3年ほど。お世話になってます!

13 件のコメント:

  1. 先日は拙い木造耐火セミナーにお越し頂きありがとうございました 大変感謝致します
    懇親会でカエルさんのとても有意義なお話を聞けて楽しかったです
    プロジェクターでお見せできなかった資料もありますがもしご希望でしたら宅ファイル致しますので申し付けてください

    差し支えなければ私のブログにてリンクさせて頂いてもよろしいでしょうか 
    今後共宜しくお願い致します。

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  2. 追記させてください
    >木造、大工さんで建設可能な「木造耐火建築」を採用

    よく考えてみるとRCや重量鉄骨ができない小さな工務店や身近な大工さんが耐火構造+防火設備=耐火建築物を作れてしまうことの可能性に色々と気づかされてます。
    重機等の使用に伴う現場経費は施主にとっては払った見返りのなく(商品として還元されてこない費用)できればその費用を目に見える仕上や照明器具や空調機器等もっと違うところに掛けたいというのが本心ではないかと思います

    余談ですが建築の本来あるべき姿の一例として 人の手で運べる大きさと重さで作れること というのがあります
    レンガは人間が片手で持てる大きさと重さから成り立っているしブロックは人間が両手で持てる大きさと重さ、梁柱は職人が二人いれば持てる長さと重さ という感じです
    この原則を維持して4階建の特建用途の耐火建築物が作れてしまう 案外すごいことなのかもですね

    長々とすみません 補足でした

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    1. ochaさん!直々にコメントいただき、感動です!
      昨日は遅くまでおつかれさまでした。本当に楽しかったです。
      ブログリンク、是非お願いします。私も↑張らせてください。

      私は現在、業務内容上、現場から離れてしまっています。
      こうした講習会やオープンハウスなど、実例を見させていただくことで、現場の感覚を思い出すことができとてもありがたいです。

      「建築の本来あるべき姿の一例として 人の手で運べる大きさと重さで作れること」

      現場から遠のくと忘れがちになってしまいますが、ochaさんのこの言葉で、現場ではひとりひとりの職人さんがが1/1でつくっている、ということを思い出しました。

      資料、いただけるのであれば是非お願いします。のちほど、メールいたします。

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  3. リンクさせて頂きました ありがとうございます

    カエルさんが私のブログを見て頂いていたとは知りませんでした

    色々と脱線多き拙いブログですが これからも宜しくお願い致します。

    ではでは

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  4. J建築をリンクしてくれてたのですね ありがとうございます
    面白い構造設計屋さんで
    因みにこの商品は地元のテレビで紹介されてました
    シェルターユニットバス
    http://www.j-kenchiku.co.jp/d5.html#d53

    仕事のレベルは大手組織事務所の木造関係の構造計算も受注していて信頼できる会社です

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    1. ochaさん、資料ありがとうございました!

      構造家の方なので、構造システムの開発をされていると思ったら、シェルターユニットバス!!柔軟な発想力と、実現させる行動力、その上商品として需要がある開発をされてるんですね!!木造耐火構造もそうですが、「行動力次第でまだまだ新しいことを見つけられる」そんな気がします!

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  5. 何度もすみません
    トップライトの件ですが帰ってからマニュアルを調べてみたところトップライトの立上り部を天井と同じ耐火仕様にすれば可能でした(勉強不足ですみません)

    「トップライトの屋内側立ち上がり部は、天井と同等以上の耐火被覆材をトップライト本体まで張り上げる」

    因みに壁窓と同じですのでトップライトの大きさの制限はありません

    以上宜しくお願いします

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  6. カエルさん

    いつも目からうろこなブログ、ありがとうございます。
    先日はお会いできて嬉しかったです。

    ochaさん

    先日はありがとうございました。
    講習会に参加させていただいて、開口部の質問をした者です。
    トップライトも付けられるんですね!
    いろいろな提案ができそうですね。

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    1. myuさん、おつかれさまでした~。
      うまい質問だぁ!って思いました。開口部制限、聞いて思い出しました。

      ホント、いろんな意味で可能性がある工法だと思います。
      参加してよかったです。

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  7. myuさん お疲れ様です
    先日はご来場頂きありがとうございます。
    トップライトの御質問件は当方の勉強不足で大変申し訳ありませんでした。
    必要でしたら配布資料以外の資料もお渡しできますのでその際は申し付け下さい。
    また、木造耐火建築について実務的にわからない事等ありましたら相談等もお受け致します。
    尚、当方で判らない事は講習会受講者として木住協の木造耐火の大臣認定取得申請の担当者に直接質問してお伺いすることも可能でセミナーでお渡しした補足資料のコピーはセミナー一週間前に防湿シートの件で質問して追加補足マニュアルがあるからと送って頂いたものです。(昨年12月の配布資料ですので9月の受講生は誰も持っていない資料だと思います)

    これからも宜しくお願い致します

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    1. ochaさん

      返信遅くなりましてすみません。
      先日はありがとうございました。

      資料のご案内もありがとうございます。
      是非いただきたいです。
      のちほどメールいたします。

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  8. 木住協より木造耐火についてのお知らせがきてましたのでお伝え致しますね


    昨年追加取得しました認定については、概要と扱いを木住協HP
    の「1時間耐火構造」「耐火構造大臣認定の追加取得について」に
    掲載しております。
    http://www.mokujukyo.or.jp/kensetsu/
    今年追加取得予定の「独立柱」(木部が600㎜角まで対応可能)と、
    「独立はり」(木部が240×1100㎜まで対応可能予定)の認定を合せて
    「設計マニュアル第4版」を作成する予定です。

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    1. ochaさん、こちらへも書き込み&最新情報ありがとうございます!とても勉強になりました!

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